第1章
世界史と日本史をつなぐ年表
古代から現代まで、世界と日本で同じころに起きた出来事を左右に並べて、歴史の流れとつながりをつかみます。
年表の見方
年代を中央に置き、左に世界史、右に日本史を並べました。まず縦に読んでそれぞれの流れをつかみ、次に同じ行を横に見て「世界がこの状況だったとき、日本では何が起きていたか」を比べてみましょう。
年代は流れをつかむための目安です。「紀元前」は数字が小さくなるほど現代に近づきます。長い期間にわたる出来事は、始まりや代表的な年に置いています。
古代 — 文明と国家の成立
| 世界史 | 年代 | 日本史 |
|---|---|---|
| エジプトで統一国家が成立し、ナイル川流域の文明が発展する | 前3000年ごろ | 縄文文化が各地に広がる |
| メソポタミアでハンムラビ王が法典を整える | 前18世紀ごろ | 縄文時代。定住生活と狩猟・採集・漁労が続く |
| ギリシャでポリスが発達する | 前8世紀ごろ | 縄文時代晩期 |
| 秦の始皇帝が中国を統一する | 前221年 | 弥生時代。稲作や金属器が広がる |
| オクタウィアヌスが初代ローマ皇帝となる | 前27年 | 弥生時代。各地に小国が生まれる |
| 後漢の光武帝が「漢委奴国王」の金印を授ける | 57年 | 倭の奴国王が後漢へ使者を送る |
| 中国で三国時代が続く | 239年 | 邪馬台国の卑弥呼が魏へ使者を送り、「親魏倭王」の称号を受ける |
| ゲルマン人の移動が進み、西ローマ帝国が滅亡する | 4〜5世紀 | ヤマト政権が勢力を広げ、古墳が各地に造られる |
| 隋が中国を統一する | 589年 | 飛鳥時代。推古天皇・聖徳太子の政治が始まる |
| 唐が建国され、東アジアの国際秩序の中心となる | 618年 | 遣隋使に続き、630年から遣唐使が送られる |
| イスラーム教が成立し、西アジアから勢力を広げる | 7世紀 | 645年に大化の改新が始まる |
| 唐が繁栄し、シルクロードの交流が活発になる | 8世紀 | 710年に平城京へ遷都し、奈良時代が始まる |
中世 — 地域世界の発展と交流
| 世界史 | 年代 | 日本史 |
|---|---|---|
| フランク王国のカール大帝が西ローマ皇帝として戴冠する | 800年 | 794年に平安京へ遷都し、平安時代が始まる |
| 宋が中国を統一し、商業と都市が発展する | 960年 | 摂関政治が最盛期を迎える |
| 第1回十字軍が始まり、地中海世界の交流が活発になる | 1096年 | 院政が行われ、武士が力を伸ばす |
| 東アジアで宋、朝鮮半島で高麗が栄える | 12世紀末 | 1185年ごろ、源頼朝が鎌倉に武家政権を築く |
| チンギス=ハンがモンゴル諸部族を統一する | 1206年 | 鎌倉幕府が御家人を中心に支配を固める |
| モンゴル帝国がユーラシア各地を結び、交流が進む | 13世紀 | 1274年と1281年に元が日本へ侵攻する(元寇) |
| イングランドとフランスの百年戦争が始まる | 1337年 | 1336年、足利尊氏が京都に幕府を開き、南北朝の争いが続く |
| オスマン帝国がコンスタンティノープルを征服する | 1453年 | 室町時代。1467年から応仁の乱が始まり、戦国時代へ向かう |
近世 — 世界の一体化と幕藩体制
| 世界史 | 年代 | 日本史 |
|---|---|---|
| コロンブスが大西洋を横断し、ヨーロッパの海外進出が加速する | 1492年 | 戦国大名が各地で勢力を争う |
| ルターの宗教改革が始まる | 1517年 | 室町幕府の力が弱まり、戦国時代が続く |
| 大航海時代にヨーロッパとアジアの海上交易が拡大する | 1543年 | ポルトガル人が種子島に漂着し、鉄砲が伝わる |
| イギリス東インド会社が設立される | 1600年 | 関ヶ原の戦いで徳川家康が勝利する |
| 三十年戦争が終わり、ウェストファリア条約が結ばれる | 1648年 | 江戸幕府が対外関係を統制し、いわゆる「鎖国」の体制を固める |
| イギリスで名誉革命が起き、議会政治が発展する | 1688年 | 元禄文化が栄え、都市の町人文化が広がる |
| アメリカ独立宣言が発表される | 1776年 | 田沼意次の政治のもと、商品経済が発達する |
| フランス革命が始まり、自由・平等の理念が広がる | 1789年 | 寛政の改革が行われる |
| イギリスの産業革命が欧米へ広がる | 18世紀後半〜19世紀 | 江戸後期。商品生産が進み、社会の変化が大きくなる |
| アヘン戦争で清がイギリスに敗れる | 1840年 | 江戸幕府が天保の改革を行う |
近代 — 国民国家と帝国主義
| 世界史 | 年代 | 日本史 |
|---|---|---|
| 欧米列強がアジアへの進出を強める | 1853年 | ペリーが浦賀に来航し、開国を求める |
| 欧米で国民国家の形成が進み、帝国主義の時代へ向かう | 1868年 | 明治維新。新政府が近代国家づくりを始める |
| 列強が植民地獲得競争を進める | 1889年 | 大日本帝国憲法が発布される |
| 列強の中国進出が強まる | 1894〜95年 | 日清戦争。日本が清に勝利する |
| 列強の対立が深まり、第一次世界大戦が始まる | 1914年 | 日本は連合国側で参戦し、大正時代の産業が発展する |
| 第一次世界大戦が終結し、民族自決の考えが広がる | 1918年 | 米騒動が全国に広がり、翌年に普通選挙を求める運動が高まる |
| 世界恐慌が始まり、各国で社会不安が強まる | 1929年 | 昭和恐慌が深刻化し、軍部の影響力が強まる |
| ドイツのポーランド侵攻により第二次世界大戦が始まる | 1939年 | 日中戦争が続き、戦時体制が強化される |
| 第二次世界大戦が終結し、国際連合が発足する | 1945年 | 日本がポツダム宣言を受諾し、連合国の占領下に入る |
現代 — 冷戦、グローバル化、共通課題
| 世界史 | 年代 | 日本史 |
|---|---|---|
| 米ソの対立が本格化し、冷戦が始まる | 1947年 | 日本国憲法が施行され、基本的人権・国民主権・平和主義が定められる |
| アジア・アフリカ会議が開かれ、脱植民地化が進む | 1955年 | 自由民主党が結成され、いわゆる55年体制が始まる |
| 冷戦下でベトナム戦争が激化する | 1964年 | 東海道新幹線が開業し、東京オリンピックが開催される |
| 第一次石油危機が世界経済を揺るがす | 1973年 | 高度経済成長が終わり、省エネルギー化が進む |
| 東欧で民主化が進み、ベルリンの壁が崩壊する | 1989年 | 昭和から平成へ。バブル経済が最終局面を迎える |
| アメリカ同時多発テロ後、「対テロ戦争」が始まる | 2001年 | 小泉内閣が発足し、構造改革を掲げる |
| 「アラブの春」が各地へ広がる | 2011年 | 東日本大震災と福島第一原発事故が起きる |
| 新型コロナウイルス感染症が世界的に流行する | 2020年 | 緊急事態宣言が出され、社会や学びのオンライン化が進む |
横につなげて考えよう
- 制度の変化を比べる — 1789年のフランス革命と、19世紀後半の明治維新は、身分や政治の仕組みをどのように変えたでしょうか。
- 交流の経路を追う — 遣唐使、モンゴル帝国、大航海時代、開国を順に見て、人・物・情報の移動が日本へ与えた影響を整理しましょう。
- 世界規模の出来事から日本を見る — 世界恐慌、第二次世界大戦、石油危機、新型コロナウイルス感染症について、世界の変化が日本の社会へどう波及したか説明しましょう。
この年表は歴史の「骨組み」です。気になる出来事を見つけたら、原因・経過・結果を調べ、同じ時期の別地域の動きも書き加えると、自分だけの年表になります。